外食大手 アルバイトの賃金を1分単位で支払いへ
外食大手の企業が、現在、5分単位で店舗の勤務時間を計算していたところ、7月1日より1分単位での勤務時間の計算をすることとしたと発表しました。
なお、新管理方式への円滑な移行及び従業員への配慮の観点から、過去の 2 年間について、実際に給与とした支払った金額と新管理方式で算出した場合の金額との差額相当額を在籍する時間給で働く従業員に自主的に支払うことを決定してことも併せて発表しました。
同社は、その支払いのため、第一四半期決算資料連結累計期間に既に 14.5億円を計上しており、現段階では、概算で16~17億円を見込んでいます。
関係者によると、都内の店舗で働くアルバイトの男性が、全国一般東京東部労働組合に加入し、切り捨てていた時間分の賃金を支払うように会社側に求めていたということです。
厚生労働省では、労働基準法等に基づく労働条件に関するルールの基本中の基本を紹介する資料のなかで、次のような説明をしています。
- 1日ごとの労働時間数は分単位で把握・確定しなければならず、割増賃金の計算の際にも、その時間を基に計算する必要があります。
なお、1か月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるという端数処理は例外的に認められています。
【確認】高校生等のアルバイトの労働条件の確保について(要請)(割増賃金の部分より抜粋)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000130160.pdf
全国一般東京東部労働組合は会見で、「もっとひどい運用の企業もある」と指摘しており、外食産業だけでなく、他の業種にも影響が広がるかもしれません。
なお、未払賃金が請求できる期間(賃金の請求権の時効)は、2020年(令和2年)4月1日施行の改正で、それまでの「2年間」から、「3年間」に延長されています。
この延長は、その施行日以降に支払期日が到来する賃金に適用されることになっており、現時点から時効で消滅していない賃金請求権について考えると、2020 年(令和2年)4月の支払期日分までがそれに該当することになります。
施行から丸2年が経過しており、現時点で未払賃金の請求があれば、その支払は「2年分」では済まなくなっていることに、改めて注意しましょう。
【確認】厚労省:未払賃金が請求できる期間などが延長されています
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