2019/01/22(火) コラム
公務員の飲酒運転による退職手当の全部不支給処分を適法とした例
最高裁判所第一小法廷令和6年6月27日判決
事案の概要
上告人大津市の職員であった被上告人が飲酒運転により物損事故を起こしたことを理由とする懲戒免職処分を受けた。これに伴い、大津市が条例により退職金の支給をしないこととした。この不支給処分について争った事案の最高裁判決である
本件では多量に飲酒をした被上告人が、自分の家に戻るために車を運転し発進直後に駐車場内で他の自動車のバンパーを落下させるという物損事故を起こした。
さらに、その後自宅に戻る途中で縁石に接触し自分の車をオイル漏れが起きる程度に故障させる事故を起こした。被上告人は翌朝酔いが覚めた状態で自分が事故を起こしたことを駐車場の管理者に申告した。この際、朝事故を起こしたと警察官に告げ、飲酒後に事故を起こしたことは申述しなかった。このような事情により被上告人は懲戒免職処分となった。大津市はこれに伴い退職金を不支給とする処分を行った。
この処分についての取り消しを求めたのが本件であり、一審、二審は退職金の一部の支給を認めていた。最高裁は退職金の支給を認めない処分を有効とした。
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