成果の高い営業法
エニアグラムは営業にも有効です。
皆さんは、購買欲求は人それぞれだと思っていることでしょう。
しかし、購買欲求の本質も大きくエニアグラムの9種類のタイプ別に存在します。
今回は、営業マンが車をおすすめするというシーンでの、お客様のタイプ毎の営業法を記述しました。
【タイプ1】
きちんとした服装、態度で約束時間の遅刻は絶対にしない。
どのような質問にも答えられるプロフェッショナリズム、一流を感じさせる知識の受け答え。
お客様のリクエストに対し、真摯な対応。
商品内容、結果よりも、販売者の人間の間違いの無さ、正しさを重視。
【タイプ2】
購入検討者の状況、気持ち、心、感情、想いをくみ取ってあげる。
タイプ2は、自分を喜ばせるのではなく、他者(例えば家族)を喜ばせたいと購入を考えていますので、購買者のその先の話をよく聞き、その先が喜んでもらえる提案を行い、互いに共感し、充分に心を通い合わせます。
【タイプ3】
購入検討者が、どのように他者に見られたいかをよく聞き、その意向に逆らわない提案を行います。
どのようなステージ、場面で使用し、どのような人の目にとまり、どのようにふるまう時に必要なブランド(=車)なのか、よく聞く(例えば、パーティに行く特に使える車など)。
【タイプ4】
まず、一般向けの人気車を何台か見せ、購買意欲を落とし、その上で、さりげなく、他には無い、又はめったにない(少し変わった)車を見せます。
「あまり人気が無いですけどね」などと、少しけなしながらも、ユニークさを、少しアピールします。
「でも、こんな車、あまり乗る人はいませんよね」などと、特別さをさりげなく、アピールします。
【タイプ5】
勧めるにふさわしい、安全性、安定性を示す根拠を、初めの1分ほど伝えてから、本論に入ります。
その後は、筋を通した、要点のみを話し、決して話し過ぎず、畳みかけないことです。
要点と要点の間に30秒の間を置き、相手にじっくり考えさせます。
要点の科学的、客観的根拠・データを、求められたらすぐに見せられるように必ず用意しておきます。
購入検討者は、営業マンがどれだけ細かく、根拠を持って説明できるか観察し、信頼の評価ポイントとしています。
タイプ5は、実は直感的で、結論ありきです。
じっくり考えている時間は、迷っているのではなく、自分の結論を検証している時間と心得ておきましょう。
【タイプ6】
販売者のきちんとした服装、謙虚な姿勢、分をわきまえたフレンドリーな態度。
安全、安心を第一に考え、その根拠、隣接情報を用意します。
データばかりではなく、多くの人たちや、国や企業に長い間支持されてきたことも根拠になります。
情報はできるだけ多く伝え、良いことばかりを言わないで、悪いデータも正しく伝えましょう。
販売会社や営業マンの正直さを判断し、信頼できるかどうかを決めます。
【タイプ7】
その商品を購入したことによって、どのような楽しい旅行や遊びが出来るのか、楽しい未来を想像させるように伝えましょう。
その車が走っているリゾート地の写真を見せ、そのリゾート地では、車を使って海へ行ったり、皆とバーベキューや川下りなどが楽しめるなど、楽しい計画が実現しそうな話題を、決定するまで何度も伝え続けることです。
【タイプ8】
大きな車。フロントガラスが大きく、運転席から四方が良く見渡せる。
ランプは大きく、大出力。前方から見ると、恐怖を感じさせる容貌。
メリット、デメリットには敏感なので、今回だけの大幅値引き、などには即決の可能性が高い。
【タイプ9】
上から目線、高飛車な態度には、どのようににこやかにしていても、次の面談はありません。
いくら通っても拒絶されます。
逆に、温和で、謙虚な態度、購買検討者の都合、タイミングをよくヒアリングし、合わせてくれる営業マンと、長く、心地よい距離関係を持ちたいと願っています。
例えばメールの月一回以上のやり取りは、煩わしいと感じ、会うことも2カ月1回くらいで、丁度よいなど。
誰か他の営業マンに奪われてしまうのではないかと、心配するかもしれませんが、ゆっくりとした、心地よい関係があれば、変わることはありません。
もしこちらの都合で、早めに購入してほしければ、余裕があれば、早めの購入もしてくれるので、追い詰めないようにして、相談しましょう。
新車が出ました、キャンペーンなので、などと迫ると、急激に購買意欲が無くなります。
今回は車の場合で説明しましたが、家や保険でも、同じです。
参考にしていただければと思います。
執筆者
安村 明史(やすむらめいし)
ビジネス能力開発株式会社 代表取締役社長
一般社団法人日本コミュニケーション協会代表理事
本記事が掲載されている特集:エニアグラムコラム