人手不足の状況、働き方改革関連法への対応に関する調査 同一労働同一賃金の対応に課題(日商等の調査)
日本商工会議所及び東京商工会議所から、「人手不足の状況、働き方改革関連法への対応に関する調査」の集計結果が公表されています(令和2年5月20日公表)。
この調査は、中小企業における人手不足の実態、働き方改革関連法への認知度・準備状況を把握し、今後の要望活動に活かすために実施されたものです。
調査期間は、令和2年(2020年)2月3日~3月6日。全国の中小企業を対象に実施し、回答があった2,838社の結果を集計したものとなっています。
調査結果のポイントは以下のとおりです。
【人手不足の状況について】
○今年の調査で、「人手が不足している」と回答した企業の割合は60.5%で前年比▲5.9ポイントであるが、依然として人手不足感は強い。
○前年調査と比較すると人手不足感は若干弱まったが、調査時期を踏まえると、新型コロナウイルスの感染拡大が調査結果に影響を与えたことも考えられる。
○数年後(3年程度)の人員充足の見通しについては、44.9%の企業が「不足感が増す」と回答。
【働き方改革関連法の認知度・準備状況】
<時間外労働の上限規制> (施行 大企業:2019年4月、中小企業:2020年4月)
○法律の施行を直前に控えた時期においても、名称・内容についての認知が十分でない企業の割合は16.2%。
○対応状況について、対応の目途がついていない企業の割合は18.5%。
<年次有給休暇の取得義務化> (施行 大企業・中小企業ともに2019年4月)
○既に法律が施行されているものの、名称・内容についての認知が十分でない企業の割合は7.1%。
○対応状況について、対応の目途がついていない企業の割合は10.0%。
<同一労働同一賃金> (施行 大企業:2020年4月、中小企業:2021年4月)
○名称・内容ともに知っている企業の割合は昨年の調査と比べ5.3ポイント増加し、73.4%。
○「対象になりそうな非正規社員がいる」と回答した企業のうち、待遇差について「客観的・合理的に説明ができる」と回答した企業の割合は33.1%にとどまる。
○「対象になりそうな非正規社員がいる」と回答した企業のうち、対応状況について、対応の目途がついている企業の割合は46.7%にとどまる。
○対応に際しての課題は、「同一労働同一賃金の内容が分かりづらい」が 50.1%、「増加した人件費を価格転嫁できない」が 49.2%。
働き方改革関連法の認知度・準備状況については、同一労働同一賃金の対応状況に課題がありそうです。
新型コロナウイルスの感染症の影響もあり、対応状況がなかなか改善されないかもしれませんね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「人手不足の状況、働き方改革関連法への対応に関する調査」の集計結果について>
https://www.jcci.or.jp/research/2020/0520133000.html
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