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精神障害で労災認定 過去最多 トップはパワハラ(厚労省)

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを、年1回、取りまとめて公表しています。

 この度、「令和2年度「過労死等の労災補償状況」」が公表されました(令和3年6月23日公表)。
 ポイントは次のとおりです。
 
<脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況>
〇請求件数は784件で、前年度比152件の減となった。
〇支給決定件数は194件で前年度比22件の減となり、うち死亡件数は前年度比19件減の67件であった。
〇業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業、郵便業」158件、「卸売業、小売業」111件、「建設業」108件の順で多く、支給決定件数は「運輸業、郵便業」58件、「卸売業、小売業」38件、「建設業」27件の順に多い。
※脳・心臓疾患に関しては、請求件数、支給決定件数ともに前年度よりも減少していますが、コロナ禍で長時間労働が減ったことが一因と分析されています。
 
<精神障害に関する事案の労災補償状況>
〇請求件数は2,051件で前年度比9件の減となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比47件減の155件であった
〇支給決定件数は608件で前年度比99件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比7件減の81件であった。
〇業種別(大分類)では、請求件数は「医療、福祉」488件、「製造業」326件、「卸売業、小売業」282件の順で多く、支給決定件数は「医療、福祉」148件、「製造業」100件、「運輸業、郵便業」と「卸売業、小売業」63件の順に多い。
〇出来事(*)別の支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」99件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」83件、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」71件の順に多い
*「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。
※精神障害に関しては、請求件数は前年度より少し減少しましたが、支給決定件数は前年度より増加し、過去最多の608件となりました。
なお、令和2年6月からパワーハラスメントが法制化され、精神障害の労災認定基準においても要因として明記されましたが、
今回の調査で、そのパワーハラスメントが、支給決定(労災認定)の要因のトップとなりました。
この件に関しては、いわゆるパラハラが、精神障害の原因として認められるという認識が広がっているのではないかと分析されています。
 
 報道を見ると、精神障害による労災認定の要因のトップがパワハラであったことが、数多く取り上げられています。
 パワハラに対する世間の注目度の高さがうかがえます。
 
 詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和2年度 「過労死等の労災補償状況」を公表します>
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19299.html

※無断転載を禁じます

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