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厚労省 働き方改革を踏まえた今後の産業医などの機能強化について報告
厚生労働省は、本年5月30日に開催された「第104回労働政策審議会安全衛生分科会」の資料を公表しました。これまでの検討結果をとりまとめた「働き方改革実行計画を踏まえた今後の産業医・産業保健機能の強化について(報告)(事務局案)」も公表されています。 この報告(事務局案)では、 ・事業者における労働者の健康確保対策の強化として、「産業医の選任が義務づけられている事業場については、事業者が異常等の所見のあった労働者に対して、産業医等からの意見を勘案して就業上の措置を行った場合はその内容を、行わなかった場合は行わなかった旨とその理由を産業医に情報提供しなければならないこととすることが適当」とか、「事業者は、過重な長時間労働やメンタルヘルス不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないために、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談できる仕組みなど、労働者が安心して健康相談を受けられる体制の整備に努めることとすることが適当」などの方向性が示されています。 ・また、産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備として、「衛生委員会において、その委員である産業医が労働者の健康管理の観点から必要な調査審議を求めることができることとすることが適当」などの方向性が示されています。 ・その他、「中小企業においても円滑に所要の措置が進められるよう、産業保健総合支援センターやその地域窓口の機能の強化、周知による利用促進などの必要な支援を行うことが適当」といった方向性も示されています。 産業医制度などについては、見直しが続きそうです。働き方改革の重要なピースの一つということがうかがえますね。 詳しくは、こちらをご覧ください。 <働き方改革実行計画を踏まえた今後の産業医・産業保健機能の強化について(報告)(事務局案)> http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000166490.pdf 産業医制度については、今月1日に長時間労働者に関する情報の産業医への提供などを定める改正省令も施行されています。こちらも確認しておきましょう。 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成 29 年厚生労働省令第 29 号) 〈概要〉 1.産業医の定期巡視の頻度の見直し 少なくとも「毎月1回」行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、産業医が、事業者から毎月一回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であって、事業者の同意を得ているときは、産業医による作業 場等の巡視の頻度を、少なくとも「2月に1回」とすることを可能とする。 ① 衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果 ② ①に掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの 2.長時間労働者に関する情報の産業医への提供 事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名 及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。 3.健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供(労働安全衛生規則のほか8省令8条文で改正) 事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととする。 4.この省令は、平成29年6月1日から施行される。
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