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賃金等請求権の消滅時効の改正を盛り込んだ「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」 労政審が妥当と答申

令和元年12月末、労働政策審議会労働条件分科会が「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(報告)」を取りまとめ、厚生労働大臣に建議を行ったことはお伝えしました。
これを受けて、厚生労働大臣は、「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」を作成し、令和2年1月10日、労働政策審議会に諮問を行いました。
労働政策審議会は、これに対し「おおむね妥当」と答申しました。

厚生労働省では、この答申を踏まえて法律案を作成し、令和2年の通常国会への提出の準備を進めるとのことです。

要綱の内容は、先の報告を整理したものです。

<要綱のポイント>
第一 労働者名簿等の書類の保存期間の延長
 労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類(以下「労働者名簿等」という。)の保存期間について、5年間に延長する。

第二 付加金の請求を行うことができる期間の延長
 付加金の請求を行うことができる期間について、違反があった時から5年に延長する。

第三 賃金請求権の消滅時効期間の見直し等
 賃金(退職手当を除く。)の請求権の消滅時効期間を5年間に延長するとともに、消滅時効の起算点について、請求権を行使することができる時であることを明確化する。

第四 経過措置
 第一から第三までによる「5年(間)」は、当分の間、「3年(間)」とする。

第五 施行期日等
・施行期日
 この法律は、民法の一部を改正する法律の施行の日(令和2年4月1日)から施行する。
・経過措置
 この法律の施行前に違反があった場合の付加金の請求期間及び賃金(退職手当を除く。)の支払期日が到来した場合の当該賃金の請求権の消滅時効の期間については、なお従前の例による

〔補足〕賃金以外の請求権(年次有給休暇など)の消滅時効の期間については、報告であったように、現行法の「2年間」を維持する方針ようで、要綱に盛り込まれていません。
退職手当の請求権の消滅時効の期間についても、現行法の「5年間」が維持されるようです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」の答申>
≫ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08856.html

※無断転載を禁じます

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