令和2年1月12日の閣議後の記者会見で、田村厚生労働大臣が質疑に応じて、「改めて、業界の皆様方には、雇用調整助成金を是非ともお使いいただいて、職員の方々、社員の方々の雇用を何とかお守りいただきたい」とコメントしたことが話題になりました。
その内容を紹介しておきます。
●記者
非正規雇用で働く人たち、特にシフト制ですとか、日々雇用の方々というのは企業から休業手当を支払ってもらえないケースがあるということで、中小企業に対しては休業支援金という、労働者が直接請求する制度があるんですけれども、大企業は対象外になっています。
結果として、大企業で働く非正規雇用の人たちが休業手当も受け取れなくて、休業支援金も受け取れないという状況で支援を絶たれている方もいらっしゃいます。
2度目の緊急事態宣言で飲食業の方々で、大企業で働かれている方もいると思うんですが、休業支援金の対象を大企業まで拡げることを検討するお考えなどはありますでしょうか。
●大臣
基本的に、大企業は雇用調整助成金をしっかり対応していただける事務的な能力があるはずであるというのが認識でありまして、今般なぜ、休業支援金等を新たに制度として作ったかと申しますと、これは今言われたような中小の飲食店に関しては、そういう事務的な能力をお持ちでないところが多い。
ですから、経営者の方も、雇用調整助成金を申請する仕方もなかなか難しくてわからないし、結構、飲食店のケースが多いので、例えば、社会保険労務士の皆様方もご協力するのに物理的に限界があるということもあって、そういう意味でなかなか申請いただけないということもありましたので、休業支援金を作って、ご本人の申請でという形にいたしております。
一方で、飲食店であったとしても、大企業は本来それだけの事務的な能力があるはずです。ですから、そういうようなチェーン店であれば、本社である程度管理できていると思いますので、その意味で、ちゃんとそこで申請いただかないと、本来の雇用調整助成金の制度自体が崩壊してしまう恐れがあります。それは我々、大変危惧しております。
ただ、一方で、なぜ申請いただかないかという中の一つに、言うなれば、補助率が悪いということがございました。ですから、今回、緊急事態宣言を出したところに関して、20時以降時短の要請をさせていただいていますから、飲食店等に関して、10/10、つまり、10割の補助率で、大企業に関しても対応させていただくということで発表いたしました。
そうであれば、大企業の持ち出しが基本的になくなるわけでございますので、大企業も、非正規の方々含めて、働く方々に対して、しっかりと雇用調整助成金に則って休業手当を出していただくということを、制度を見直して、今回対応させていただいております。
改めて、業界の皆様方には、雇用調整助成金を是非ともお使いいただいて、職員の方々、社員の方々の雇用を何とかお守りいただきたい、そうお願いをさせていただいております。
本人の申請の休業支援金は中小企業のみということで、大企業では雇用調整助成金がより重要といったところですね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<田村大臣会見概要(令和2年1月12日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00311.html1
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