「割増賃金の基礎となる賃金」を誤り多額の未払い 2年分を支払いへ
「発動機の大手企業の子会社において、残業代などの超過勤務手当の計算を誤っていたために当該手当の未払いが発生し、そのうち、時効により請求権が消滅していない2年分を同子会社が支払うことが、令和元年(2019年)7月25日に分かった。」といった報道がありました。
誤っていたのは超過勤務手当の計算の基礎となる賃金(いわゆる割増賃金の基礎となる賃金)で、本来は算入しなければならない一部の手当を除外して計算していたようです。
その誤りついて、給与計算を委託している会社から指摘を受け、労働基準監督署に相談。労働基準法に基づく時効により請求権が消滅していない2年分の未払い分の支払いを決めたということです。
同子会社が支払う額は、社員約190人(退職者を含む。)の2017年7月からの2年分の同手当の未払い分、計約1,600万円ということです。
しかし、誤った計算式は操業開始の1999年4月から使っていたそうで、実際には、これまでに1億円近い未払いがあった可能性があるとのことです。
割増賃金の基礎となる賃金を適正に求めることは、給与計算の基本中の基本といえますが、それを誤ると、1,600万円もの支払いが生じることもあるということは、肝に銘じておきたいところですね。
今一度、「割増賃金の基礎となる賃金」の求め方などを確認しておきましょう。
〔確認〕「割増賃金の基礎となる賃金」から除外できるのは、次の手当等に限定!
①家族手当、②通勤手当、③別居手当、④子女教育手当、⑤住宅手当、
⑥臨時に支払われた賃金、⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
注)①~⑤の手当に該当するか否かは、名称にとらわれず実態で判断。
特に①~③の判断が重要。
参考までに、次のリーフレットを紹介しておきます。
<割増賃金の基礎となる賃金とは?(厚労省リーフレット)>
≫ https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-5a.pdf
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