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SNSの炎上等が経営上のリスクに 企業と労働者との間での認識の違いを埋める姿勢が求められる(検討会の報告書)

「技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」において報告書が取りまとめられ、これが公表されました(令和3年6月22日公表)。

同検討会では、令和元年12月から令和3年6月まで、AI等の技術革新が進展する中における労使間のコミュニケーションの実態や課題把握等をテーマとして12回にわたり検討が重ねられてきましたが、その検討の結果等をまとめたものとなっています。

たとえば、「ソーシャルメディアの進展に伴う労使コミュニケーションに関する課題」として、SNSへの書き込みの「炎上」などについても取り上げられており、ひそかに話題となっています。

具体的には、次のとおりです。

●SNSなどのコミュニケーションツールが多様化し、個々の労働者による情報の受発信の在り方の変化することにより、労使関係や労使コミュニケーションにも影響が及んでいる。具体的な影響として以下ような事例がある。

<SNSへの書き込みの「炎上」>

○労働者が職場で受けた不本意な処遇・取扱い等についてSNS上に会社名が特定される形で書き込み、社内での問題を公にした場合に、SNS上で非常に多くの参加者から共感を得ることで社会的な批判が巻き起こり、当該企業や労働者が影響を受ける事象が発生している。

<「タイムライン」を通じた個人の価値観の強化・アップデート>

○SNSの普及により「タイムライン」等を通じて、自分の興味のあるものをフォローすることにより、自動的に自分の求める情報の受信が可能となったこと、自らの考え方への共感を即時に得られること等により各自の考え方が強化されるという現象が発生している。

○個人の労働環境に関する考え方についても同様に日々、個人の興味や選好が反映された最新の情報に触れることで、自身の考え方がより強められる方向で更新され続けることや、SNS上で同様の問題意識を持った人々の共感を得ることにより、職場への不満の声を上げやすくなっている可能性がある。例えば、長時間労働を積極的に捉えるかつての考え方から、現在のワークライフバランスを重視し、パワーハラスメントやサービス残業を否定する考え方が急速に強まってきたことの背景には、こうしたソーシャルメディアの影響があった可能性もある。

〇労働者の価値観が多様化する一方、企業が組織として速やかに考え方の変化に対応していくことは容易ではなく、これにより個人と企業との間で労働環境に関する考え方が乖離し、労働条件等について労使で話し合いをする際、前提となる認識のずれによるコミュニケーション不全(ディスコミュニケーション)が生じやすくなっている

 ↓

●企業が労使コミュニケーションに取り組む際には、ソーシャルメディアの普及など、時代の変化に応じて労働者の労働環境に関する考え方が変化しており、企業と労働者との間での認識の違いを埋める姿勢が求められる。

労働者がSNSで不満を訴え、企業が損害を受ける事例の存在も念頭に置く必要がある。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会 報告書>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19420.html

※無断転載を禁じます

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