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裁量労働制で働く人の労働時間は一般の労働者よりも長く 制度の見直し検討(厚労省の実態調査)

2021/06/28

調査・統計

厚生労働省は、「裁量労働制実態調査」の結果を取りまとめ、公表しました(令和3年6月25日公表)。

「裁量労働制実態調査」は、裁量労働制の制度の趣旨に適った対象業務の範囲や働く方の裁量と健康を確保する方策等についての検討に資するため、専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態や裁量労働制の適用・非適用による労働時間の差異等を把握することを目的としたものです。

調査結果のポイントは、次のとおりです。

① 適用事業場調査

〇裁量労働制の適用労働者がいる適用事業場における1か月の労働時間の状況の平均(1人当たり)は171時間36分、1日の労働時間の状況の平均は8時間44分(注1)、1か月の労働日数の平均(1人当たり)は19.64日である。

② 非適用事業場調査

〇非適用事業場における1か月の労働時間の平均(1人当たり)は169時間21分、1日の労働時間の平均は8時間25分(注1)、1か月の労働日数の平均(1人当たり)は20.12日である。

③ 適用労働者調査

〇適用労働者における1週間の平均労働時間数は45時間18分、1日の平均労働時間数は9時間0分(注1)、1週間の平均労働日数は5.03日である(注2)。

〇適用労働者における健康状態の認識状況別労働者割合は、「よい」(32.2%)が最も高く、次いで、「ふつう」(29.4%)である。

〇適用労働者における裁量労働制が適用されていることに対する満足度別労働者割合は「満足している」(41.8%)が最も高く、次いで、「やや満足している」(38.6%)である。

④ 非適用労働者調査

〇非適用労働者における1週間の平均労働時間数は43時間2分、1日の平均労働時間数は8時間39分(注1)、1週間の平均労働日数は4.97日である(注2)。

〇非適用労働者における健康状態の認識状況別労働者割合は、「ふつう」(33.8%)が最も高く、次いで、「よい」(30.0%)である。

注1:労働日数加重平均により算出した値

注2:労働者調査における1週間の平均労働時間数、1日の平均労働時間数及び1週間の平均労働日数については、1週間に実際に働いた労働時間の合計を1時間単位で回答した調査票のみを集計しているもの。

報道においても、裁量労働制で働く人の労働時間が一般の労働者よりも長くなっていることが、大きく取り上げられています。

厚生労働省では、今回の調査結果を踏まえ、今後、裁量労働制のあり方について検討していくということです。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<「裁量労働制実態調査」の結果を公表します(厚労省)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19508.html

※無断転載を禁じます

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