退職金等の実態調査(令和3年9月度) 勤続年数の上昇に伴い退職金額が増加(経団連)
経団連(日本経済団体連合会)から、「2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」が公表されました(令和4(2022)年3月15日公表)。
この調査は、企業における退職金・年金の実態と退職金水準の動向を把握し、退職金制度の見直し等の参考とするために 、1973年から実施されているものです(2021年からは3年ごとに実施。東京経営者協会との共同調査)。
今回公表されたのは、2021年9月末現在の調査結果で、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業のうち有効回答のあった276社の結果を集計したものとなっています(なお、前回の調査は2018年9月末)。
これによると、職種別・学歴別のすべての区分において、勤続年数の上昇に伴って退職金額が増加しているということです。
たとえば、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の60歳では、大学卒(勤続年数38年)が2,243.3万円、高校卒(同42年)が1,953.0万円となっています。
その他、次のような調査結果が気になるところです。
●賃金改定と退職金算定基礎額との関係をみると、「賃金改定額とは関係なく別建て」とする企業割合が、全体の8割強を占めている(82.4%)。
別建てとしている企業の内訳をみると、「ポイント方式(点数×単価)」を採用している企業が7割強(76.7%)で最も多く、次いで「別テーブル方式」(17.6%)となっている。
●退職金制度の形態をみると、「退職一時金制度と退職年金制度の併用」(66.1%)が最も多い傾向に変わりはないものの、2014年調査以来の6割台となった(前回2018年調査では72.1%)。
一方、「退職一時金制度のみ」は 15.9%と、前回2018年調査(10.9%)と比較して5.0ポイント増加した。
●「退職年金制度」を有している企業において、その種類をみると(複数回答)、「確定拠出年金(企業型)」が7割を上回り(71.2%)、本項目の選択肢に「確定拠出年金」を追加した 2002年調査以降で最高となった。
一方、「確定給付企業年金(規約型)」や「確定給付企業年金(基金型)」は減少傾向にある。
●「確定拠出年金(企業型)」におけるマッチング拠出(事業主掛金を上回らない範囲で、加入者である従業員も掛金を拠出できる制度)を「導入済み」の企業は、2012年の本項目の調査開始以降、増加傾向にあり、2021年は 46.5%となった。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果>
http://www.keidanren.or.jp/policy/2022/026.pdf
※無断転載を禁じます