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使用者による虐待が認められた障害者数 大幅増で過去最多/平成29年度調査結果

2018/08/23

調査・統計

厚生労働省から、「平成29年度 使用者による障害者虐待の状況等」の結果が公表されました(平成30年8月22日公表)。

都道府県労働局では、障害者虐待防止法に基づき、都道府県などの地方公共団体と連携し、障害者を雇用する事業主や職場の上司など、いわゆる「使用者」による障害者への虐待の防止や、虐待が行われた場合の関係法令に基づく是正指導などに取り組んでいます。
 
この度、平成29年度における状況等が取りまとめられました。
そのポイントは、次のとおりです。
●虐待が認められた事業所数 、虐待が認められた障害者数は、いずれも前年度と比べ増加。
・虐待が認められた事業所数……597事業所(前年度比 2.8%増)
・虐待が認められた障害者数……1,308人( 同 34.6%増)
●受けた虐待の種別では、経済的虐待が1,162人(83.5%)と最も多く、次いで心理的虐待が116人(8.3%)、身体的虐待が80人(5.7%)となっている。

虐待の種別で最も多かった「経済的虐待」には、賃金の未払いのほか、障害者であることを理由に賃金を低くするといったことも含まれています。
使用者による障害者虐待の事例も紹介されていますが、その中には、採用面接で「健常者は時給900円だが、障害者は800円だ」と言われた障害者が、納得できずに見直しを求めたが改善されないといったケースもありました。

厚生労働省では、今回の取りまとめ結果を受けて、引き続き、地方公共団体との緊密な連携を図りながら、使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいくとのことです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<「平成29年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00003.html

なお、厚生労働省が「使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいく」としている一方で、障害者雇用促進法による障害者雇用率制度について、複数の中央省庁が、雇用する障害者の数を水増ししていたという問題が生じています。
このような水増しは、多くの地方公共団体や教育委員会などでも行われていた可能性もあるようです。
厚生労働省では、水増しの規模などについて、調査を進めており、近くその結果を取りまとめ、公表するとのことです。
中央省庁が見本を示すべきところ、このような問題が生じていることはとても残念ですね。
厚生労働省には、その改善もしっかりと進めて欲しいところです。

※無断転載を禁じます

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