遺族年金の男女差をめぐる訴訟 最高裁が正式に「合憲」と判断
業務災害で死亡した場合に一定の遺族に支給される遺族補償年金について、妻は年齢を問われないのに夫は55歳以上に制限している地方公務員災害補償法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審について、「最高裁第3小法廷は21日、“規定は合憲”との判断を示し、原告の上告を棄却。二審の高裁判決が確定した。」という報道がありました。 最高裁第3小法廷が口頭弁論を開かずに判決日を指定していたため、「“合憲”と認めた二審が維持される見通し」ということはお伝えしていましたが、そのとおりの結果となりました。 同小法廷は、「遺族補償年金は社会保障の性格を持つ制度」と指摘。「男女間の生産年齢人口に占める労働力人口の割合の違い、平均的な賃金額の格差、一般的な雇用形態の違い等を考慮すると、規定が合理的理由を欠くとはいえない」と結論付けたようです(5人の裁判官全員一致の結論)。 同様の規定がある他の制度(労災保険など)のあり方にも影響を与えることから、厚生労働省なども注目していた訴訟ですが、正式に「合憲」という結論がでました。
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