パワハラ指針 具体例を示した素案を提示(労政審の雇用環境・均等分科会)
厚生労働省から、令和元年(2019年)10月21日に開催された「第20回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会」の資料が公表されました。
今回の分科会で、「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」が提示され、報道でも頻りに取り上げられています。
令和元年6月に公布された改正労働施策総合推進法では、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)を、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものと定義されています。
今回提示された指針の素案では、パワハラに該当する例・該当しない例が、「身体的な攻撃」、「精神的な攻撃」、「人間関係からの切り離し」、「過大な要求」、「過少な要求」、「個の侵害」という典型的な6類型に分けて示されています。
また、企業に防止対策を義務づける労働者には、正社員のほか、パートタイム労働者や契約社員などの非正規雇用労働者も含むことなどが明確にされています。
その一方、企業と雇用関係にないフリーランスや個人事業主、インターンなどについては、「行うことが望ましい取組」が示されるにとどめられています。
同省は、年内の指針策定を目指していますが、今回の素案について、「パワハラの範囲を極めて狭く捉え、労働者の救済を阻害している」といった批判が労働者側から出ているようです。
今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第20回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07350.html
※上記のパワハラ防止措置等に関する指針の素案については、「資料1-1」をご覧ください。
※無断転載を禁じます