労災認定された傷病等に対して健康保険から給付を受けていた場合などについて、新たな通達を発出
傷病等に関する社会保険の保険給付については、会社に勤めている方の場合、業務上の事由・通勤によるものについては労災保険から、それ以外の事由(私傷病)によるものについては健康保険から給付が行われるという棲み分けがされています。 しかし、病院等で治療を受ける際、本来は労災保険で対応すべきところ、健康保険で対応。その結果、健康保険の給付が行われるといったケースも見られます。このような場合、健康保険から労災保険に切り替えることになるのですが、その際の取り扱いが変更されることになりました。 これまでは、「健康保険の給付を受けていた労働者に係る労災保険給付の取扱について」(昭和29年通知)により、次のように取り扱われてきました。 ・労働者(患者)が、誤って健康保険から受けた給付分を健康保険に返還⇒改めて労災保険から給付を受ける。 これでは返還に係る労働者の負担が大きいということで、新たな通知が発出されました。 これによると、次のような取り扱いも可能となります。 ・労働者(患者)が所定の手続を採る⇒返還を不要とし、労災保険と健康保険の間で調整する。 具体的には、労働者が労災認定をした労働基準監督署へ申出等をし、療養(補償)給付たる療養の費用のうち健康保険に返還すべき分の支払先として、健康保険の保険者の口座を指定(受領を保険者に委任)⇒口座振込が可能であることが確認できた場合、労働者の同意のもとレセプトの確認等が行われ、調整に係る金額を決定⇒労災保険と健康保険の間で調整を行うというものです。 新たな通知はこちらです。 <労災認定された傷病等に対して労災保険以外から給付等を受けていた場合における保険者等との調整について(平成29年基補発0201第1号)> http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170203K0010.pdf <労災認定された傷病等に対して過去に医療保険から給付を受けていた場合における給付の調整について(平成29年 保保発0201第1号ほか)> http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170203K0011.pdf
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