2019/06/12(水) コラム
心理学と本質的成長
エニアグラムは、心理学の一分野なのか、という話です。
性格心理学という心理学の一部分ではあります。しかし、エニアグラムは心理学ばかりではなく、スピリチュアリズムとの懸け橋のようなものだと解釈できます。
スピリチュアリズムとは精神主義、又は心霊主義などと呼ばれます。
うさん臭さを感じる人もいるかと思いますが、エニアグラムは曖昧な神秘的な出来事を追求しているのではなく人間の本質的な成長の道具なのです。
具体的にはどういうことでしょうか。
我々は、長い年月を経て、物質主義、特に科学の進歩によって、古代に持っていた、また従来の人間が使用していた様々な特質を失っています。
例えば、現代文明から離れているアフリカの原住民の視力は4であり、けもの道を歩くと、どの動物が何時間前に通ったのか、正確に知ることが出来るといいます。この能力を身体的知性といいます。
オーストラリアのアボリジニのような先住民族の世界では、身体の知性が発達しており、何キロ先にも離れていた親戚の一人がケガを負ったことをアボリジニが身体で知ったという記録があるそうです。この身体の知性によって、ケガをした人のところにまっすぐ歩いていき、助けることが出来たと聞いたことがあります。
彼らに比較して、テクノロジーと融合する現代人は、病気になる、疲れた、靴が合わないので足が痛いなどでしか、身体の存在を感じることが出来ないほどに、身体的知性は劣化しています。
現代人の生活には、身体的知性の失われた部分が多くあるのです。
身体的知性ばかりではなく他には知的知性、感情的知性があります。
知的知性について言えば、エジプトのピラミッドは、現代人が失った、しかし従来持っていた知性の集結によって建築されていますが、現代人には再現することが困難になってしまいました。
全世界には、何千年前に建造されたカミソリ一枚入らない石組など、信じられないような遺物、技術の痕跡が至る所に残されています。
全ての性格タイプの下にある身体的知性、感情的知性、知的知性のパワーを呼び覚まし、本来の人間に備わっていたすべての能力を再現することをエニアグラムにおけるスピリチュアリズムということなのです。
失われた知性を再現することで、どのようなメリットがあるのか。
知的知性が目覚めると、従来持っている内なる知と導きによって自分に自信をもたらす。不安が無くなります。
感情的知性は、自分が何者かをおのずと教えてくれ、他者からの評価や、自分探しや恥を感じずに生きることが出来るようになります。
身体的知性が再現されると充足や安定、自立した自分をパワフルに生きることが出来るようになります。
エニアグラムは、単なる学問ではなく、本質的成長の道具なのです。
執筆者
安村 明史(やすむらめいし)
ビジネス能力開発株式会社 代表取締役社長
一般社団法人日本コミュニケーション協会代表理事
本記事が掲載されている特集:エニアグラムコラム
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